欠けたピース 概要




 もし、私に作風があるとすれば、先に発表した幾つかの小説は、茨城を題材としたり物理的な仕掛けを施したものが多いですから、それが作風となるのかも知れません。しかし、これは茨城を離れ、物理的な仕掛けも使わずに書いた物です。


 筋としては、金に困った二人の青年が、警察関係者と名乗るある男の誘いに乗って、安全である筈の警備会社から、数億の現金を奪うという犯罪に手を染めた。


かし、世の中は、そんなには甘くはなかった。仲間であると知らされていた警備員は襲撃のときに姿を見せずに、警備会社の小部屋で殺害されていたと後から知った。


 


 状況的に警備員殺害は、誰が見ても押し入った二人の青年の罪になる。すでに殺人罪の時効は撤廃されている。その重荷を背負った二人の青年が事件の真相に迫ったとき、幾つかの過去の事件が絡んでいると知った。過去の事件を引きずった人達が、自然と二人の周囲に集まりだす。


ここで、少しだけ犯人について。


 犯人は、警察関係者と名乗ったように警察のなかに居ました。


そしてもう一つ。犯人と二人の青年の間にいた警備員の死によって生まれた、犯人と青年達の奇妙な関係。それは青年達が捕まらなければ犯人も安泰、逆に犯人が捕まらなければ青年も捕まらない。いわば相互協定のよなものが、犯人との間に自然とできていた。


 事件を暴くとは自ら犯した犯罪も暴くもの。


 過去の事件とは何か、そして自らも犯罪者でありながら、陥れた犯人に復讐はできるのか?


 これは殺人事件の時効が撤廃になっのをヒントにして書いた物です。


 この小説は茨城のPR為に書いた物ではないてので200円となしました。